玄関の鍵を開けて入ると、デカイ靴が数足並んでいた。
思わず「おぉ?」と声に出てしまった。息子が出てきて、
「Uが石垣島から帰ってきて、来てるんだよ」という声の後ろから、「おじゃましてま~す」と元気な声。
5月ごろだったか、「移住するんだ」とご両親の郷里でもある石垣島へ行ったUくん。少し前に「もう音を上げてる」と息子から聞いてはいたが・・・
「あら、一時帰宅?」と声をかけたら、元気な明るい声で「もう、辛くなって帰ってきちゃいましたぁ」と屈託がない。普段だったらそこで会話は終わるはずなんだけど、今日はさらに「でも、そのおかげで東京でやりたいことが見つかったんです。だから帰ってきました。」とさらに弾んだ声。
「そう、よかったねぇ。辛い思いした甲斐があったんだぁあ?」と答えた。
「はい、東京にいる意味がわからなくなって、向こうに行ったんですけどねぇ・・・」息子の部屋をちらっと覗いたら、人懐こい丸い顔でニコニコしてるUくんが息子たち仲間に囲まれていた。
息子の友達が訪ねてくることは多いけど、ほとんど会話はしたことがない。いつもは挨拶が関の山なのに、こんなに話すのはよほど寂しい思いをしてきたのかもしれない。
そう思ったら、なんだか鼻の奥がツンとしてしまった。
と、同時にそんな風に話してくれたのが訳もなく嬉しかった。
意気揚々として南の島に出かけていって、寂しさに耐え切れずに挫折して帰ってきたのだろうけど、次の展開をしっかりつかんで帰ってきたなら、それはそれで成果でしょう。
何でも経験してみること。
その結果、三歩進んで二歩下がったとしても・・・
一歩の前進は喜んで上げなきゃね。
「おじゃましましたぁ!」の声が5回続いた。
え・・・あの狭いところに5人も詰め込んでたの?(笑)
いちいち返事をしながら、大人数でやってきていたのにあらためて気づいた。
「めし、食ってくるぅ~」6人目が出かけていった。









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